欠陥施工(1)家の傾き=経年劣化は通じない

欠陥施工

家の傾きなど、中古住宅欠陥の修繕義務は、「経年劣化」を理由に免責されることもあります。

●家の傾きを告知せずそのまま販売した。
●戸建てで雨漏りが起きた際に、対処を引き延ばし続けた。

この記事は、売買契約書・施工契約書等の免責「経年劣化によるものを除く」はどこまで認められるかというお話です。

家の傾きに照準を合わせて、以下の例は中古のお話ですが、新築の家で雨漏りが起きた場合は、別記事で説明していますが不法行為としてはるかに厳しい対処がなされます。

まず、基本的な前提は以下です。

「施工から年数が経過しても、屋根ほか、建物の機能に関係する部分=契約適合責任の負担が大きい部分は隠れた瑕疵でも免責対象外で、経年劣化は勘案されにくい。」

その他、判例では以下のQ&Aのように、中古物件で買主が専門的に知り得なかった経年トラブルの可能性に関する説明が不十分であることの責任、それから、契約書の特約の定義のあいまいさ=複数の解釈が可能な点も指摘しています。

質問

築後30年を経過した賃貸マンションの一棟売りにあたり、「売主の瑕疵担保責任の期間は6か月間とする。ただし、経年劣化によるものを除く。」という特約を定めた。ところが、引渡し後3か月目に床下の水道管から水漏れ事故が発生した。

売主は「水道管からの水漏れは経年劣化によるものであるから、売主に責任はない」と主張し、買主は「経年劣化によるものを除く。」という特約の趣旨は、買主が目で見て判るような部分の劣化によるものを除くという趣旨であって、隠れた部分の劣化は含まれないと主張しているが、いずれの主張が正しいか。

回答

本件の瑕疵担保責任の特約の「ただし、経年劣化のものを除く。」という定めは、二重の意味で不適切である。1つは、売主、買主がそれぞれ主張するような意味に解釈できることについて一般素人の考えだからとして無視できない。なぜなら、契約の意味解釈の第一義的な基準は当事者の意思内容だからである。(契約を読んで意味を解するのは当事者それぞれだからという意味)

もう1つの不適切な理由は、「売主の瑕疵担保責任」の期間の6か月の起算点は、おそらく「引渡しの日」であろうが、それが不明確なうえ、それよりも、もっと重大な争点となり得るのは、その但書の意味である。

瑕疵担保責任の期間は6か月とするが、「その期間中でもそもそも経年劣化によるものは負わない」という意味と把えることができると共に民法の原則責任期間すなわち買主が事実を知った日から1年間を(おそらく引渡しの日)から6か月に短縮するが「経年劣化によるものは短縮せず、民法の原則どおりとする」と把えることも可能であるからである。

結論
本件の水漏れは、事実関係を見る限り「経年劣化」によるものと思われるが、本件のような現象を当初から買主が容認して買うことは通常考えられないので、媒介業者として、その用語の使用と買主に対するその説明が不適切、不十分なケースと言わざるを得ない。

出典:経年劣化によるものを除くという瑕疵担保免責特約の有効性等(不動産流通推進センター)

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